Name
蓮池に蜻蛉文花瓶
Makers
ドーム工房Daum
Category
アールヌーヴォーArt Nouveau
Year
1904年頃
Material
透明ガラスに金属酸化物挿入、型吹き成型、ヴィトリフィカッション アプリカッション、エッチング、手彫り
Dimensions
H: 30 × W: 8.3 × D: 8.3 (cm)
Signature
Daum Nancy/底に手彩
Price
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蓮池に飛ぶ二匹の蜻蛉が描かれた花瓶。水色と紫のマーブルガラス地に、黄緑と黄色が混ざり合ったガラスを重ねた後、酸化腐食彫り(エッチング)によって文様が彫り込まれています。蜻蛉の羽の透明感は見事です。さらに成型後、線彫りで蜻蛉の羽や顔の表情、蓮の葉脈など細部まで描かれています。これでもかと言わんばかりに当時の最先端の技術を盛り込んだ作品で、当時のドーム社の作品群の中でも上級品として販売されていたシリーズ。

個人的には花瓶下部にあしらわれた蜻蛉が特に気に入っています。頭部~胴体にかけて丁度黒紫のマーブルが入っており、トンボ独特の質感が出ているかと。日本国内で黒系のトンボというとハグロトンボという比較的華奢なトンボを連想しますが、当作品に描かれた蜻蛉は複眼と胴体が大きく、オニヤンマのような力強いトンボが描かれています。

フランスでトンボはドラゴンフライと呼ばれ当時は不吉なモチーフや地獄からの使いなどと言われ、ポジティブな意味合いをもったモチーフではなく、あまり使われるモチーフではありませんでした。しかしアール・ヌーヴォー、アール・デコ期に活躍したガラス工芸作家(ガレ、ドーム、ラリックなど)は揃ってトンボのモチーフを取り入れています。このモチーフを取り入れたのはジャポニズムの影響であると解釈されています。日本では勝ち虫と言われ縁起の良いものとして古くから愛されたモチーフで、版画や日本工芸などでも愛された図柄をジャポニズムと解釈し、彼らは取り入れたのでしょう。

 

数年前に同デザインの花瓶を手に入れましたがが、このスパンで同スタイルの作品を買い付けられたのは僥倖と言って差し支えないかと。

 

※参考文献:

北澤美術館コレクション選集 アール・ヌーヴォー アール・デコのガラス芸術  P89 カタログ No.76 , No.77

 

GA-848

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