- Name
- 草花に蜻蛉文花瓶
- Makers
- エミール・ガレEmille Galle
- Category
- アールヌーヴォーArt Nouveau
- Year
- 1900年代初頭
- Material
- アンバーガラス、型吹き成型、金彩、エナメル彩
- Dimensions
- H: 17.9 × W: 11.5 × D: 11.5 (cm)
- Signature
- E.Galle Nancy (作品底部に手彫り)
- Price
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作品の販売価格についてはお問合わせください コミカルに描かれた蜻蛉が印象的な花瓶が入荷しました。コミカルに描きながらも、静止した状態ではなく飛翔の習慣をとらえた躍動的な姿で描かれています。とりわけ、ガラスの質感を生かした羽の表現が美しく、光を通して輝く羽の美しさをガラスの厚みや色彩で表現された作品。全て厚みが統一された画一的な彩色ではなく、部分的に厚み変化を加え、透明感を出すことでガラスならではの透明感ある美しさを演出しています。図柄は全体的にモチーフを書き込んだスタイルではなく、意図的に空白を残したジャポニズムスタイルの仕上がり。
蜻蛉の羽の根元や体、一部の草花の葉を描く際に使われている彩色法は、エナメル彩色の一種である「エモー・ビジュー」という技法が使われています。フランス語では宝石七宝を意味し、エナメル彩色の下地に金彩を施すことで輝きを持たせる特殊なエナメル彩です。ガレが得意とした非常に高度な彩色方法です。
ガレは生涯を通じて蜻蛉モチーフを描き続けますが、時期や作品によって実に様々な蜻蛉が描かれてきました。時におどろおどろしく、時にコミカルに。水生昆虫であるヤゴから蜻蛉へと羽化する変態昆虫を生命の神秘として表現したのではないでしょうか。ガレの広大な邸宅の庭園にもたくさんの蜻蛉が飛んできていたことでしょう。もともとヨーロッパでは蜻蛉は「ドラゴンフライ」と呼ばれ、「悪魔の使い」のようなとらえ方をされ、あまり良いイメージの昆虫ではなかったようですが、アール・ヌーヴォー期に流行したジャポニズムの影響で、(日本では縁起物の勝ち虫として用いられるポジティブなモチーフ)ヨーロッパでもモチーフとして使われるようになりました。ガレやドーム、ラリックの作品にも蜻蛉モチーフは多く登場します。特にガレにおいては蜻蛉は生涯を通じて描き続けたモチーフで、初期作品~最晩年の作品にも使われるモチーフです。
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