エミール・ガレ：鯉に小花文香水瓶

作品中央に描かれた鯉が印象的な小ぶりな香水瓶が入荷しました。l’ École de Nancyのカタログに同モチーフが掲載されています。カタログによると1878年に考案され、1900年の万博に出品されたデザインです。多色使いのエナメル彩でゴージャスで迫力のあるシノワズリモチーフが描かれた逸品。ともずれば重たい印象になるシノワズリモチーフですが、小花の白とピンク、ブルーとグリーンのエナメル彩が良いアクセントになって重たさを感じさせません。ボディと栓部はクリアガラスを用いてありますが、高台部分のみ月光ガラスを用いた珍しい仕上げです。

【参考文献】

Émile Gallé et le verre La collection du Musée de l’ École de Nancy,

Somog y Éditions d’A r t, Musée de l’ École de Nancy, 2004,

cat.no.21.22 p55（1878ー1900年の作とされる同モチーフの作品が掲載。）