オールドバカラ：秋景色片口リキュールボトル

光沢感のあるブルーが美しいバカラ社のアール・ヌーヴォー期のリキュールボトルが入荷しました。一見すると色ガラスのように見えますが、透明なガラス地の上に金属粉を焼き付けて彩色と光沢を施すラスター彩色という技法が用いられています。ボトルはブルーのラスター彩ですが、ハンドルと栓はアンバー色のラスター彩が施され、良いアクセントとなっています。

朱色と白の厚みのあるエナメル彩と金彩のコンビネーションで秋を表現する草花が描かれています。さらに黒のエナメル彩で葉の縁や葉脈にラインを入れ図柄を引き立たせてる工夫も。意図的に残された空白部分はジャポニズムを感じさせます。

栓部はプレス成型で中身の詰まった仕上げ。ハンドルはアプリカッションによる溶着。エナメル彩とラスター彩が駆使されたバカラ社のアール・ヌーヴォー期ならではの作品です。

ボトル底部にはうっすらと白濁が。容量は満水で350ml程度と日本酒二合弱を余裕入れることが出来ます。注ぎ口は片口の仕上げですので、注ぎやすく実用的でもあります。